核医学検査
核医学検査とは
ガンマ線という放射線をだす特別な薬(放射性医薬品)を少量体内に注射すると、薬は体の中の決まった臓器や病変部に集まります。核医学検査では体の外に放射線を検出するカメラ(ガンマカメラ)をおき、体のどこから放射線が出てきたか測定することにより、体の中のようすを調べることができます。
核医学検査の目的
核医学検査では調べたい臓器や病変のある場所を見つけるためにその目的にあった検査薬を用意します。薬は目的の部位に強く集まったり、集まらずに抜けたりします。その状態を撮影することで臓器や病変の位置や形、大きさなどが分かるのです。また、このデータをコンピュータで処理、解析を行うことで臓器の働きの程度(機能)を知ることができます。また、病変がわかりやすいように臓器の断面像などを作り診断しやすくしています。
当院の使用機器
当院では、SPECT(スペクト)装置といわれ体の周りをゆっくり回りながら撮像することでいろいろな方向の断面画像を作ることができる装置を使って検査を行います。
当院で主におこなわれる核医学検査
骨シンチグラフィ
がんの骨への転移や、骨の炎症、骨折、その他多くの骨の病気を診断できます。
脳血流シンチグラフィ
脳の血流の分布を評価することができます。脳梗塞などの病気や治療後の評価をします。また、認知症の診断の補助として脳血流シンチを行う場合も増えています。
心筋シンチグラフィ
心臓の筋肉が正常に働いているか調べることができます。心筋梗塞などの病気の評価や、治療前や治療後の状態を見るために行います。
その他のシンチ
最近では認知症の判定補助の検査として脳ドーパミントランスポーターシンチや交感神経をみる心筋MIBGシンチなどの検査も増えています。
検査の流れについて
検査内容に応じて注射等で体内に検査薬を投与します。
その後、目的の臓器などに薬が集まるのを待ってから撮影を行います。 多くの検査は待ち時間を含めて1~4時間ほどで終わります。しかし、検査によっては注射後24時間まで撮影を行う検査や注射後に2~3日程待ったうえで撮影を行う場合があります。 撮影時間は20分から1時間程度かかります。
検査薬から放出される放射線
核医学検査では人体への影響が少ないガンマ線が放出される薬(核種)が用いられています。薬に使われる核種はガンマ線を放出する放射性同位元素の中でも、寿命の短いものが使われます。極めて微量の投与の量のため通常の検査に用いられています。
次に該当する方は、あらかじめ医師にお知らせください
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある女性
- 授乳中の女性(数日間、赤ちゃんに母乳を与えることを避けた方がよい場合があります)
- 乳幼児がいる女性(赤ちゃんを抱くのも、半日程度は避けた方がよい場合があります)