腎臓・膠原病内科
*診る・つなぐ・支えるー腎臓・膠原病内科のいま
診断から在宅支援まで、つながる医療で地域を支える。私たちの腎臓・膠原病内科は”これから”の医療に応えます。
診療スタッフ
【【+Message 】】
4領域の専門医を持っており、幅広い疾患に対応可能です。地域医療に貢献できるよう尽力いたします。
秋山 大一郎(あきやま だいいちろう)科部長 月火水木金:外来曜日 |
(社)日本内科学会 総合内科専門医 (社)日本腎臓学会 専門医・指導医 (社)日本透析医学会 専門医・指導医 (社)アフェレシス学会 専門医 医学博士 |
緒方 亮二(おがた りょうじ)科長 月火水木金:外来曜日 |
(社)日本内科学会 総合内科専門医 (社)日本腎臓学会 専門医 (社)日本透析医学会 専門医 (社)日本リウマチ学会 専門医 医学博士 |
上田 基寛(うえだ もとひろ)医師 月火水木金:外来曜日 |
赤字:新患担当曜日
青字:外来担当曜日
❖学会施設認定❖
日本腎臓学会研修施設
主な疾患と実績
改善する見込みのある腎臓病の患者さんには、慢性腎不全への進行を防ぐために積極的な治療を行っております。症状がなく治療を急ぐ必要が無い場合は3泊4日の入院で腎生検を行い、2週間後の外来で腎生検の結果を参考にして治療法の選択を行います。
慢性腎不全の原因として糖尿病性腎症に次いで2番目に多いとされるIgA腎症はこの腎生検でしか診断できない疾患の一つです。そのIgA腎症の根治的治療法として期待されている扁摘パルス療法が日本全国で浸透してきており、当科でも積極的に施行しております。
大量の蛋白尿による低アルブミン血症と体液過剰症状( 浮腫・高血圧・呼吸困難) をきたしている病態をネフローゼ症候群といいます。この場合はまず利尿剤の注射・アルブミンの点滴・一時的な透析などで体液過剰の補正を行います。補正されたところで腎生検を施行し原因の診断を行い、その後ステロイドの点滴・免疫抑制剤の内服・LDLアフェレーシス療法といったネフローゼに対する治療を施行します。
腎臓病が治療されないまま時間が経過しますと、腎機能の低下に伴い腎臓のサイズが小さくなってきます。両側の腎臓が萎縮し根治的な治療ができなくなった状態を慢性腎不全といいます。ここまでくると治療目標は腎機能の改善ではなく、透析導入までの期間を健康的な状態を保ちながら延長させることとなります。具体的な治療としては慢性腎不全の症状である溢水や貧血・電解質異常の補正を行いながら、カリウム制限や塩分制限といった腎臓の負担が少ない食事内容を指導していきます。
しかし、いずれは腎代替療法( 血液透析・腹膜透析・腎移植) が必要になりますので、3つのうちいずれかを選択する必要があります。血液透析を希望している患者さんには内シャント設置術を2泊3日の入院で行います。当院で内シャント作成が困難な場合や腹膜透析・腎移植を希望される患者さんについては山梨大学泌尿器科の腎不全専門外来を紹介いたします。身体所見や血液検査の結果から血液透析が必要になった場合は10日前後の入院で血液透析導入を行います。退院後は患者さんの居住区や生活環境などを考慮しながら適切な維持透析施設を紹介いたします。
関節リウマチは以前は有効な治療薬がほとんどなかったため痛み止めやステロイドの内服、関節内注射などで症状を抑えながら手術療法で関節整復のタイミングをみていくという治療が中心であり、整形外科医がリウマチ診療の担い手でした。こういった従来の治療法では関節の破壊を抑えることができませんが、現在はリウマトレックスを初めとしたさまざまな治療薬で関節の破壊を抑制できるようになりました。そのため全国的に関節リウマチの治療の担い手は整形外科医からリウマチ内科医に次第にシフトしてきております。
関節リウマチの治療はまず全身状態を把握してリウマトレックスが使用できるかどうか判断することが必要になります。リウマトレックスが使用できない場合や単剤で効果不十分の場合は他の免疫抑制剤の使用を検討します。いずれの薬剤にも重篤な副作用がおこる可能性があり、定期的な検査でその発症予防・治療に努めます。
SLEやANCA関連血管炎といった膠原病の一部は致命的な状態に重篤化したり、急性腎不全を発症したりすることがあります。そのような場合は透析療法やアフェレーシス療法などを併用する必要があります。当科は同一科でこれらの治療法に対応することが可能な数少ない施設であり、重症膠原病にも十分な対応を行うことができます。
診る力×支える力 ー 腎臓・膠原病内科の診療体制(専門医・医療機関のみなさまへ)
ー診療範囲・対応力・連携体制を、簡潔にご紹介します。
選ばれる3つのポイント
1.慢性腎臓病・急性腎障害・関節リウマチ・膠原病の早期診断・治療が可能
2.慢性腎臓病の病期に応じた適切な対応が可能
3.合併症に対応した関節リウマチ治療が可能
❖専門領域と治療内容の特徴❖
【対象疾患】 腎臓疾患全般、関節リウマチ・膠原病全般
慢性腎臓病については、腎機能正常で蛋白尿・血尿のみの状態から重度の腎不全の状態まで診断・治療が可能です。eGFR60ml/minの軽度腎機能低下のみの場合でも一度は当科へご相談ください。緊急透析が必要な場合でも当科は対応可能です。
関節リウマチ・膠原病については早期診断し適切に治療することが重要です。合併症に応じた治療が必要となりますので、まずは全身状態の精査が必要となります。多発性関節炎など膠原病が疑われる患者さんがいましたら、ご紹介よろしくお願いいたします。